しかし赤ちゃんゾウの救出は簡単なことではなく想像以上に大変でした
事件が起きたのはインド南部にあるウルランタンニ川周辺。ウルランタンニ川周辺は世界的にも珍しく野生のゾウがのびのびと暮らしていました。「のびのびと暮らせる」と聞くと聞こえはよいですが、のびのび生きられるということは常に自然の危機に晒されていることと等しいのです。ある日群の中の赤ちゃんゾウが川を渡ろうとしていたところ、誤ってぬかるみに落ちてしまいました。パニックになった赤ちゃんゾウは必死に抜け出そうとしますが、身体を動かせば動かすほど身体は深みにはまっていきます。しかしこれは、まだ悲劇の始まりに過ぎませんでした。
かわいそうなことに、ゾウの身体はどんどん深みにはまっていきます。仲間意識が高い周りのゾウは赤ちゃんを助けようとその場に止まって見守っていました。ゾウはゾウなりに赤ちゃんゾウを助けようとしていたのです。